今回紹介するのは「Amos Lee – Arms of a Woman」です。
リセットしたいときに聴いてみてください
力んでしまった心も体も、優しく緩めてくれます。
出会い
出会いは、何の気なしにテレビを見ていた時に、この曲のPVが流れてきました。その映像の雰囲気、音、声。
一瞬でテレビにくぎ付けになったのを、今でも鮮明に憶えています。
まさに琴線に触れるという感じでしょうか、興奮してすぐにCDを買いに行きました。
そしてこのPV、短い時間で映画を見たような感覚になります。傑作です。ぜひご覧になってみてください。
アーティスト
アメリカ出身のシンガーソングライターで、2005年に自身の名を冠したアルバムでデビューしている。当時はノラ・ジョーンズが注目するアーティストということで、話題になったのを憶えています。
彼女は彼を自身のツアーに参加させるだけでなく、デビューアルバムにも参加していることから、相当彼を気に入っていたのが分かりますね。
そして、彼に注目していたのは彼女だけではなく、ボブ・ディラン、エルビス・コステロ、ポール・サイモンなど錚々たるアーティストから声がかかり、ツアーに参加しています。
また、彼の経歴は非常に興味深く、今の彼からは想像できませんが、学生時代はバスケット一筋で、聴いていた音楽もヒップホップばかりだったそうです。
そして大学在学時に遊んでばかりいる彼を見かねた両親が彼にアコースティックギターをプレゼントしたそうで、そこで彼の人生は一瞬で変わったそうです。
今の彼の音楽に通ずるような音楽を聴き始め、作曲もすぐに始めたそうです。そして大学卒業後には小学校の教師の仕事をしていたそうですが、音楽への夢が諦めきれず、教職を捨て、音楽の道に進んだそうです。
そして現在まで、定期的なリリースとともに、精力的な活動を続けています。
アーティスト情報:エイモス・リー – Wikipedia
楽曲
作詞・作曲 Amos Lee
2005年にリリースされたデビューアルバム「Amos Lee」に収録されている。彼の名を世間に知らしめた楽曲と言っても過言ではないでしょう。
このアルバムは彼のストックしていた楽曲から、選択しレコーディングしたとはいえ、その期間はたったの2週間。そして、一曲にあてたテイクは多くて3回とのことで、それでこの完成度とは本当に驚きました。
曲調
使用楽器も、ギター、ベース、ドラム、鍵盤と非常にシンプルな構成です。どの楽器も主張し過ぎず、選ばれた場所で選ばれた音だけを鳴らしています。渋いの一言ですね。この曲は音と音の間の「間」が非常に心地よく、全体を優しいベースの余韻のような音が包み込んでいます。
そして、それらすべてがAmos Leeの耳元でささやかれているような優しい声、それをより一層美しく引き立てているのです。
本当に素敵な声ですよね。テクニックとかではなく、生まれ持ったそのままの声。飾らない声というのでしょうか、本当に沁み込んできます。
この曲は、寂しげなのに、優しくて、聴いていて、言葉では言い表せないような様々な感情に包まれるような曲です。ただひとつ、確かに言えるのは心地いということです。
歌詞
この曲の歌詞は、男性にはない、女性だけが持つ包容力、母性のようなものが描かれており、とても言葉で表現することが難しいこの普遍的なテーマを、彼の類まれなるワードセンスでシンプルに、そして美しく表現しています。
また、彼は作詞家として、自分の経験を切り取り表現することも、もちろんあるそうですが、それ以外にも、映画や小説などからインスピレーションを受けて書くこともあるそうで、彼の書く歌詞のバラエティに富んだシチュエーションも、それを聞くと納得できます。
シチュエーション
この曲を聴くと、力んだ体、心を優しく緩めてくれます。気づかないうちに自分の抱えた様々な問題、悩み、不安などでがんじがらめになっていることありますよね。そんな状態であることすら自分で気づいていないことも、、、
もし、少し気持ちが沈んでいたり、疲れているなって思ったら、この曲を聴いてみてください。
生活の中で、定期的なリセットって必要だと思うんです。自分の立ち位置を確かめられうというか、がむしゃらに頑張るのも、もちろん大事ですが、混乱の中で堂々巡りしてることってありますもんね。
思い切って、今日は何もしない。お酒でも飲みながらリセットして、また頑張りましょう。
おすすめアルバム
おすすめのアルバムは今回紹介した楽曲は収録されていないのですが、彼の最新アルバムである「Dreamland」です。自分自身、今回の記事を書くにあたって、初めて聞いたのですが、彼のこれまでの楽曲とは違ったアプローチなので、以前から聴いていたファンからすると賛否両論あるかもしれませんが、自分にはドンピシャでした!
いやぁ、大好きな世界観です。聴きまくってます(笑)
まとめ
私は天才という表現が、あまり好きではなくて。誰でも一人ひとり違う感性を持っているのに、それらを常識や一般論といったものに塗りつぶされてしまっている気がして。
彼はそんな自分だけの感性を、大切に、素直に表現している人なんだと思います。